ときめく予感。

桜のしるし

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05

桜のしるし

就職活動を始めて日が過ぎた。
今日もエントリーシートや履歴書を書いたり、
すごく具体的に自分の将来を想像するのって
結構苦痛だ。

暖かい春の日差しが、
なかなか進まない筆も相まって眠りを誘う。
ほんのちょっとの現実逃避をするわたし。

心地いい風がそよぐ。ゆっくりと目を開けると、
ハートの形に桜の花びらが折り重なっている。

少しだけ自分の将来を後押しされたようなしるし。

06

小さな花

鳴らない電話。返事の来ないメール。
すべての思いが一方通行で、
このままじゃ部屋の中で干からびちゃいそう。

朝の薄い光の差し込む窓辺にちょこんと座る。
グラスに入った水を乾いた喉に流し込む。
寝起きでまどろみながら、
いつもと違う何かに気付くわたし。

刺々しいサボテンに、ちょこんと乗っかるように咲いた小さな花。
一度も水なんてあげたことないのに。
グラスの底に残った最後の一滴を、ぐいっと飲み干す。

小さな花

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06

小さな花

鳴らない電話。返事の来ないメール。
すべての思いが一方通行で、
このままじゃ部屋の中で干からびちゃいそう。

朝の薄い光の差し込む窓辺にちょこんと座る。
グラスに入った水を乾いた喉に流し込む。
寝起きでまどろみながら、
いつもと違う何かに気付くわたし。

刺々しいサボテンに、
ちょこんと乗っかるように咲いた小さな花。
一度も水なんてあげたことないのに。
グラスの底に残った最後の一滴を、
ぐいっと飲み干す。

桜のしるし

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07

上を向くだけで

ふと気づくとため息ばかり。
人生で初のスランプが到来した日々を満喫している。

いつも通らない川沿いの道を気分転換に歩いてみた。
カバンに入ったスマホが鳴る。

急いで電話に出ると、
内定した旨を落ち着いた声が伝えてくる。
飛び上がりたい気持ちを抑えて、
こちらも落ち着いた大人な言葉で応対する。

電話を切り、黒い画面に映る桜吹雪。
舞い落ちる花びら。空を見上げる。

08

動きだす時間

何かもやもやしているときは本屋さんへ行く。
本の背表紙を見ていると、
自分のもやもやが何なのか、発見できる気がするから。

就職活動も終わり、内定はもらったけど
このまま就職しちゃっていいのかななんて、
決意表明したはずなのに、まだ迷っている。

ある写真家の日常を綴ったようなタイトルの写真集に目が止まる。
背表紙を掴む左手に重なるように、
わたしと同じ時に、同じことを思った人の手が触れる。

小さな花

NEW

08

動きだす時間

何かもやもやしているときは本屋さんへ行く。
本の背表紙を見ていると、
自分のもやもやが何なのか、
発見できる気がするから。

就職活動も終わり、内定はもらったけど
このまま就職しちゃっていいのかななんて、
決意表明したはずなのに、まだ迷っている。

ある写真家の日常を綴ったようなタイトルの
写真集に目が止まる。
背表紙を掴む左手に重なるように、
わたしと同じ時に、
同じことを思った人の手が触れる。

わたしの時間

01

わたしの時間

人には隠し事のできないわたし。
でもそんなわたしにも、
誰にも教えてない秘密の場所がある。
一人の時間は、そっと大事にしておきたいから。

運ばれてきたカフェラテに描かれた
クマの表情がちょっと悲しそうで、
スプーンで笑顔にしてあげた。
今のわたしの気持ちに合わせて。

自分の気持ちも、ひとさじのスプーンで
変えることができたらいいのにな。
オレンジ色の暖かい夕日が
窓からちょうど差し込んできた。

02

花とワンピース

いつもの帰り道。
おろしたてのワンピースを着て、ちょっと違う気分のわたし。
いつもは立ち寄らない、素敵なお花屋さんに目が止まる。

色とりどり並ぶ花の中から、自然とひとつに手が伸びる。

淡い紫色のワンピースと、同じ色の花を選ぶ奇跡。

今日はこの色の気持ちだったんだ。
花の色に気付かされる、今日のわたし。
小さな奇跡に顔がほころぶ。

花とワンピース

02

花とワンピース

いつもの帰り道。
おろしたてのワンピースを着て、
ちょっと違う気分のわたし。
いつもは立ち寄らない、
素敵なお花屋さんに目が止まる。

色とりどり並ぶ花の中から、
自然とひとつに手が伸びる。

淡い紫色のワンピースと、
同じ色の花を選ぶ奇跡。

今日はこの色の気持ちだったんだ。
花の色に気付かされる、今日のわたし。
小さな奇跡に顔がほころぶ。

新しい家族

03

新しい家族

一人暮らしを始めて
あっという間に3年が過ぎた。
家族と当たり前に一緒に暮らす日々が懐かしい。

後期の1限目にある
講義に出るための早起きのおかげで、
一人暮らしのマンションのある路地裏に
毎朝同じ時間に挨拶を交わす、
わたしの新しい家族ができた。

遠くからわたしの姿を見つけて、
駆け寄ってくるハナ。
おはよう。
頭を撫でると、嬉しそうに尻尾を振る。

04

そわそわの正体

ずーっとそわそわして落ち着かないわたし。
映画に行こうと届いたメッセージを見てから、ずっと続くこのそわそわ。

いつも通りの会話なんだけど、
ちょっとした間ができると妙に落ち着かない
目的地までのはじめての二人だけの道のり。

慣れないヒールでちょっと遅れて歩くわたしに
彼の少し早い歩みが合わさってくる。
スッと差し出された手に、今度はわたしがスッと自然に手を差し出す。

そわそわの正体は、握り合った手の中に閉じ込められた。

そわそわの正体

04

そわそわの正体

ずーっとそわそわして落ち着かないわたし。
映画に行こうと届いたメッセージを見てから、
ずっと続くこのそわそわ。

いつも通りの会話なんだけど、
ちょっとした間ができると妙に落ち着かない
目的地までのはじめての二人だけの道のり。

慣れないヒールでちょっと遅れて歩くわたしに
彼の少し早い歩みが合わさってくる。
スッと差し出された手に、
今度はわたしがスッと自然に手を差し出す。

そわそわの正体は、
握り合った手の中に閉じ込められた。

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